ポケットやカバンを探っても、そこにあるはずの鍵が見当たらない。誰もが一度は経験するかもしれない、血の気が引くような瞬間です。しかし、こんな時こそパニックにならず、冷静に順を追って行動することが、被害を最小限に食い止めるための鍵となります。まず最初に行うべきは、もう一度、徹底的に身の回りを探すことです。意外な場所から出てくることは少なくありません。着ていた服の全てのポケット、カバンの内ポケット、無意識に置いたであろう机の上などを、落ち着いて確認しましょう。次に、その日の自分の行動を記憶の限り遡ります。立ち寄ったコンビニ、利用した駅のトイレ、食事をしたレストランなど、心当たりのある場所に連絡を入れ、忘れ物として届いていないか確認します。それでも見つからない場合は、最寄りの警察署か交番へ「遺失届」を提出してください。もし誰かがあなたの鍵を拾って届けてくれれば、警察から連絡が来ます。また、この届出は、万が一その鍵が悪用されて空き巣などの被害に遭った際に、あなたが鍵を適切に管理しようとしていたことの証明にもなります。そして、賃貸住宅にお住まいの場合は、必ず大家さんや管理会社に紛失の事実を報告しましょう。鍵の交換が必要になる場合、個人の判断で勝手に行うことはできず、管理会社の指示を仰ぐ必要があるからです。鍵屋に連絡するのは、これらの基本的な手順を踏んでからでも遅くはありません。焦りは禁物です。一つずつ、着実にやるべきことをこなしていきましょう。