自宅の玄関を電子キー(スマートロック)にしたい、と考えた時、その種類の多さに驚き、どれを選べば良いのか分からなくなってしまう方は少なくありません。デザインや価格だけでなく、自分のライフスタイルや家族構成、そして住まいの状況に合った製品を選ぶことが、導入後の満足度を大きく左右します。最適な電子キーを選ぶために、まず確認すべきは「設置タイプ」です。大きく分けて、既存の錠前の室内側にあるサムターン(つまみ)の上から被せるように取り付ける「後付けタイプ」と、ドアノブや錠前そのものを丸ごと交換する「シリンダー交換タイプ」の二種類があります。後付けタイプは、ドアに穴を開けるなどの工事が不要で、両面テープで貼り付けるだけのものが多いため、賃貸住宅でも手軽に導入できるのが最大のメリットです。一方、交換タイプは、見た目がスッキリとし、より強固なセキュリティを構築できますが、設置には専門的な工事が必要となるため、主に持ち家向けの選択肢となります。次に重要なのが、「解錠方法」の多様性です。電子キーの魅力は、スマートフォンアプリでの解錠が基本ですが、それ以外の方法も豊富に用意されています。例えば、専用のカードキーや、登録した交通系ICカードをかざすタイプ、あるいは暗証番号を入力するタイプは、スマートフォンを持たない小さなお子さんや、操作に不慣れな高齢のご家族がいる家庭に最適です。さらに、指紋認証タイプであれば、手ぶらで解錠できるという究極の利便性を享受できます。家族の誰もがストレスなく使えるよう、複数の解錠方法に対応したモデルを選ぶのが賢明です。また、万が一の事態に備えた「バックアップ手段」の有無も必ず確認しましょう。本体やスマートフォンの電池切れ、あるいはシステムトラブルが発生した際に、従来の物理キーでも開けられるようになっているか、あるいは非常用の給電ポートが備わっているかは、締め出されてしまうリスクを避けるための重要なチェックポイントです。オートロック機能や入退室履歴の確認といった便利な機能も魅力的ですが、まずはこうした基本的な安全性と、家族全員にとっての使いやすさを基準に、じっくりと比較検討することが、後悔しない電子キー選びの鍵となります。
我が家に最適な電子キーの選び方