鍵を全てなくしてしまったり、手元にあるのが合鍵だけだったり。そんな、頼みの綱である「純正キー(元鍵)」がない状況で、どうしても新しい鍵が必要になった場合、どうすれば良いのでしょうか。ここで、「合鍵から合鍵を作る」という安易な選択肢に飛びついてしまうと、後々の大きなトラブルの元になります。では、正しい解決策とは何でしょうか。大きく分けて、二つの確実な方法が存在します。第一の方法が、「キーナンバーからメーカー純正キーを取り寄せる」ことです。あなたの家の純正キーには、メーカー名と共に、アルファベットと数字が組み合わさった「キーナンバー」が刻印されているはずです。このキーナンバーは、いわば鍵の設計図とも言えるもので、この番号さえ分かっていれば、鍵のメーカーに直接、あるいは大手鍵屋やマンションの管理会社などを通じて、純正と全く同じ精度の鍵を注文することができるのです。キーナンバーが分からない場合でも、入居時の契約書や、鍵を受け取った際の保証書などに記載されていることがあります。時間は二週間から一ヶ月程度かかりますが、この方法で手に入る鍵は、メーカーが作る正真正銘の「本物」です。精度に関する心配は一切なく、最も安全で確実な方法と言えます。第二の方法が、「錠前(シリンダー)ごと交換する」ことです。これは、キーナンバーも分からず、どうしようもなくなった場合の、いわば最終手段です。費用は一万五千円から数万円と高額になりますが、この方法には大きなメリットがあります。それは、セキュリティが完全にリセットされるということです。紛失した鍵が悪用される心配はなくなりますし、長年使って劣化した錠前を一新することで、防犯性能や操作性も向上します。そして何より、新しい錠前には、三本程度の新しい「純正キー」が付属してきます。これにより、再びゼロから、正しい鍵の管理をスタートさせることができるのです。手元に純正キーがないという状況は、確かに不安です。しかし、そこで慌てて精度の低いコピーに頼るのではなく、少し時間や費用がかかっても、これらの正規のルートで問題を解決すること。それが、長期的な安心を手に入れるための、唯一の正しい道筋なのです。
純正キーがない!そんな時の正しい合鍵の作り方